環境の変化速度と興奮波の伝播失敗

田中正信

所属:京都大学理学部

2006年3月1日


概要


 興奮場を容易に変化させることのできる実験系として、Ru触媒を使った光感受性のBZ反応がある。この実験系では光度によって興奮性を変えることができる。このBZ反応の有名なモデル2変数Oregonatorは実験系での多くの現象を説明することに成功している。このモデルを使った1次元の数値計算において、光度に対応するパラメーターφを急激に変えると波の伝播が失敗する現象が見られた。この現象のメカニズムを調べるのに、数値実験上で興奮場の変え方とwave frontでの閾値の関係を調べた。すると、興奮場を急激に変化させた時、定常点が変わるために、閾値が大きくなることが分かった。これにより、伝播失敗のメカニズムの原因を明らかにした。
 また、興奮性を変えても定常点が変わらない興奮場のモデルとして、FitzHugh-南雲方程式を使って同じような現象が見られないかを調べた。activatorの拡散係数Duが大きい時、大きなtraveling pulse から小さなtraveling pulse への移行に関しては、興奮場の変え方に依存した伝播失敗は見られなかった。しかし、inhibitorの拡散係数Dvが大きい時、traveling pulse からbreathing pulseの移行に関しては、興奮場の変え方が急激だと移行に失敗する現象が見られた。



全文: tanaka.pdf (204KB)


戻る