DNAのブラウン運動

中井祐介

2003 年3 月17 日



1. 導入

 DNA は1価のカチオンを加えても凝縮しないが、多価カチオンを加えて いくと、ある濃度でランダムコイルからグロビュールに凝縮転移する。この 際に高分子の広がりをあらわす一つの目安である流体力学的半径が変化する と考えられる。
 また、蛍光顕微鏡を用いてDNAを観測するときに用いる蛍光色素として、 minor-groove 系のDAPI,あるいはintercalater 系のYOYO と呼ばれる蛍光 色素がある。DAPI はDNA らせんに巻きついてDNA の負電荷を打ち消す 働きを持ち、YOYOはDNA の塩基対の間に入って持続長を大きくし、全長 を伸ばす効果があると言われている。この蛍光色素としての物性の違いがラ ンダムコイルの流体力学的半径を変化させる可能性がある。
 この流体力学的半径の変化をEinstein-Stokes の関係式

             kBT
    D = -------
            6πηRh

D : 拡散係数 kB : ボルツマン定数 T : 温度 η : 溶媒粘度 Rh : 流体力学的半径 と二次元のブラウン運動での平均二乗変位<x2> と時間t についての式、

    <x2> = 4Dt

により、拡散係数の測定を通して調べることが出来る。



全文: nakai.pdf (72.1KB)


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